自己破産の費用の相場を公的な数字で確かめる
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「自己破産 費用 相場」で調べると、出てくる金額の幅が大きくて困ります。幅が出るのは、事務所ごとに値段の付け方が違ううえに、その平均を調べて公表している公的な資料が無いからです。
ただし、金額を段階ごとに公表している公的機関があります。日本司法支援センター(法テラス。国が作った法律相談の窓口)です。
公的に金額が出ているのは、法テラスの立替えの目安だけ
法テラスは、弁護士や司法書士に払うお金を立て替える制度を持っていて、その立替えの額の目安をページに出しています。自己破産のページはこう書き出します。
自己破産事件については、債権者(お金を借りた貸金業者や金融会社)の数によって依頼時の費用(着手金や実費)が異なります。
ここに出ている額は、事務所が付けている値段の平均ではありません。法テラスが立て替えるときの目安です。それでも読む価値があるのは、何で金額が動くのかが数字で確かめられるからです。動かしているのは借入先の数です。
自己破産は3段階に分かれている
| 債権者数 | 着手金 | 実費 |
|---|---|---|
| 1〜10社 | 132,000円 | 23,000円 |
| 11〜20社 | 154,000円 | 23,000円 |
| 21社以上 | 187,000円 | 23,000円 |
合計は、1〜10社で155,000円、11〜20社で177,000円、21社以上で210,000円です。実費は3段階とも23,000円で変わりません。動いているのは着手金のほうで、いちばん下の段といちばん上の段の差は55,000円です。
報酬金についても書かれています。
また、原則として報酬金は発生しませんが、過払金を回収できた場合、報酬金が発生します。
払い過ぎた利息が戻ってきたときだけ、そこから報酬が出るという組み方です。過払い金そのものの仕組みは過払い金の仕組み|上限金利は元本で3段階にあります。
任意整理は8段階あり、1社と21社以上で5倍以上ちがう
| 債権者数 | 着手金 | 実費 |
|---|---|---|
| 1社 | 33,000円 | 10,000円 |
| 2社 | 49,500円 | 15,000円 |
| 3社 | 66,000円 | 20,000円 |
| 4社 | 88,000円 | 20,000円 |
| 5社 | 110,000円 | 25,000円 |
| 6〜10社 | 154,000円 | 25,000円 |
| 11〜20社 | 176,000円 | 30,000円 |
| 21社以上 | 198,000円 | 35,000円 |
合計は1社で43,000円、5社で135,000円、21社以上で233,000円です。自己破産が3段階なのに対して、任意整理は8段階に刻まれています。任意整理は借入先ごとに話し合うので、社数がそのまま仕事の量になるためです。費用の項目そのものの分かれ方は債務整理の弁護士費用は1社あたりか総額かで変わるにまとめました。
この表は「必ずこの額になる」という意味ではない
どちらのページにも、同じ注意書きが付いています。
※実際の費用は、事件の内容等により審査によって決まります。必ずこの金額になるとは限りませんのでご注意ください。また、事件の困難度等に応じて着手金が増減する場合があります。
だからこの数字は、相場そのものというより、桁の見当を付けるための目盛りとして使うものです。事務所の見積もりを聞いたときに、この目盛りから大きく離れていれば、なぜ離れているのかを聞く手がかりになります。
個人再生の目安は出ていない
法テラスが費用の目安を出しているのは、任意整理・自己破産・離婚等請求の3つです。個人再生のページはありません。つまり個人再生については、公的に示された金額の目盛りが無いことになります。手続きの側の説明は個人再生の費用は、事務所に払う分と裁判所に納める分に分かれるにあります。
誰でも立て替えてもらえるわけではない
立替制度には3つの条件があります。1つ目がお金の条件です。
収入(手取りの平均月収 ※賞与も含む)や資産(お持ちの現金・預貯金及び不動産や有価証券の額)が一定基準以下の方が対象となります。お住まいの地域や住宅ローン・家賃の負担の有無によって基準が異なります。
収入の基準は住んでいる地域で2種類あります。
| 家族人数 | 東京都特別区・大阪市など | それ以外の地域 |
|---|---|---|
| 1人 | 200,200円 | 182,000円 |
| 2人 | 276,100円 | 251,000円 |
| 3人 | 299,200円 | 272,000円 |
| 4人 | 328,900円 | 299,000円 |
資産の基準は地域で変わりません。1人が180万円以下、2人が250万円以下、3人が270万円以下、4人が300万円以下です。家族が5人目から増えるときは、収入の基準に足します。東京や大阪などの地域で33,000円、それ以外の地域で30,000円です。
基準を少し超えていても、そこで終わりではありません。
上記の表以上の収入や資産をお持ちでも、家賃や住宅ローン、医療費や教育費等を支払っているなど、やむを得ない事情がある場合には、基準を満たす可能性があります。
家賃や住宅ローンを払っている場合は、その分を収入から差し引けます。上限は1人世帯で41,000円(東京都特別区は53,000円)、4人世帯で71,000円(同92,000円)です。
2つ目の条件は見込みです。
自己破産事件であれば免責決定の見込みがあること、離婚等請求事件であれば離婚成立の見込みがあることなど、問題が解決する見込みがあることが必要です。
3つ目は、報復や自己宣伝のための手続きではないこと、とされています。申し立てができる状態かどうかの話は自己破産の条件は金額では決まらないにあります。
立て替えであって、肩代わりではない
読み違えやすいところです。
立替えた費用は、分割でのお支払いとなります。利息等はありません。
つまり、いったん法テラスが払って、あとから毎月返します。利息は付きません。返している途中で生活保護を受けることになった場合の案内もあります。返済を待ってもらう申請や、返さなくてよくする申請ができるとされています。
裁判所に納めるお金は、この表の外にある
法テラスの表に入っているのは、弁護士や司法書士に払う分と、その事務に要る実費です。自己破産では、これとは別に裁判所へ予納金を納めます。予納金は事案で額が変わり、東京地方裁判所は管財事件で最低20万円という額を公表しています。そちらは自己破産の費用は同時廃止か管財かで変わるに分けて書きました。
公表されている事務所の料金と並べてみる
法テラスの目安は立て替える額なので、事務所が自分で出している料金とは別のものです。それでも、桁が合っているかどうかは見られます。
シン・イストワール法律事務所は、自己破産の申立ての着手金を税込で公表しています。管財人を付けない同時廃止事件が407,000円、少額管財事件が506,000円です。どちらも債権者1社あたり11,000円が加わり、印紙代や郵券代などの実費が別にかかります。法テラスの目安は1〜10社で155,000円でした。同じ「自己破産を依頼するときの費用」でも3倍近い開きがあります。開きが出るのは、法テラスの額が収入と資産の基準を満たす人だけに向けたものだからです。
アース司法書士事務所は、自己破産の基本報酬を「88,000円〜(税込)」と下限で示しています。報酬ページには「※別途、予納金等の実費が必要となります。」と併記されています。下限だけが出ている場合、その額で収まるかどうかは見積もりを聞くまで分かりません。司法書士が自己破産で行うのは、裁判所に提出する書類の作成です。代理人として関与するのとは別の仕事になります。法務大臣の認定を受けた認定司法書士が代理できるのは、1社あたり140万円までです。確かめ方は認定司法書士が代理できる140万円の線にまとめました。
見積もりを聞くときに確かめること
- その額は着手金だけか、実費まで入っているか
- 債権者の数で変わる建て方か、総額の建て方か
- 裁判所に納める予納金が入っているかどうか
- 法テラスの立替制度を使えるか、使うつもりがあるか
4つ目を最初に聞いておくと、後から選び直さずに済みます。法テラスの立替えを使うかどうかで、依頼できる相手が変わることがあるためです。相談の前に用意しておくものは債務整理の準備|相談の前に取引履歴を取り寄せるにまとめました。
この記事で確かめたこと
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引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。
